- 相続手続き
- 海外在住の日本国籍者なのか
- 外国籍者なのか
- 以前は日本国籍だったのか
- 亡くなった方の国籍はどこか
- 日本の不動産、預貯金、証券など、どの財産を手続するのか
- 遺言書の有無を確認する
- 戸籍等を収集し、相続人を確定する
- 不動産、預貯金、証券、債務などを整理する
- 相続人全員で遺産の分け方を合意する
- 提出先ごとに必要な署名証明・住所証明を確認する
- 内容を確定した遺産分割協議書を、原則として未署名の状態で海外へ送る
- 在外公館または現地公証人等で必要な証明を取得する
- 原本を日本へ返送し、相続登記や金融機関の手続を行う
- 戸籍等による相続人の確認
- 相続不動産の調査
- 合意内容に基づく遺産分割協議書の作成
- 署名証明・在留証明など、必要書類の事前整理
- 日本の不動産の相続登記
- 委任内容に応じた預貯金・証券等の相続手続
- 国内外の相続人との書類授受の整理
- 「預貯金や証券を含む相続手続をまとめて進めたい」
- 「国籍等の申出」
- 「費用」
- 「ご相談ください」
- 外務省「在外公館における証明」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000554.html - 外務省「在外公館における電子化した証明書(e-証明書)の発給開始について」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/pagew_000001_01362.html - 法務省「外国に居住しているため印鑑証明書を取得することができない場合の取扱い」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00346.html - 法務省「外国居住の外国人や外国法人が所有権の登記名義人となる登記」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00574.html - 法務省「令和6年4月1日以降にする所有権に関する登記の申請について」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00589.html - 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html - e-Gov法令検索「法の適用に関する通則法」第36条
https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000078 - 日本司法書士会連合会「遺産整理業務とは?」
https://souzoku.shiho-shoshi.or.jp/column/031/ - 相続手続き
- 登記簿上の所有者について相続が開始したこと
- 自分がその所有者の相続人であること
- 不動産の所有権が申出人へ移転したことを公示する
- 各相続人の持分を登記する
- 遺産分割協議を成立させる
- 不動産を売却する
- 不動産へ抵当権を設定する
- 相続登記の期限が近いが、遺産分割協議が終わっていない
- 連絡が取れない相続人がいる
- 相続人が多く、戸籍の収集や協議に時間がかかる
- 遺言の有効性や遺産の範囲について確認が必要である
- 誰が不動産を取得するか決まるまで時間を要する
- 相続人申告登記の申出書
- 登記簿上の所有者が亡くなったことを確認できる戸籍等
- 申出人がその相続人であることを確認できる戸籍等
- 申出人の住所を確認する書類
- 代理人へ依頼する場合の委任状
- 対象不動産の登記事項を確認できる資料
- 亡くなった方名義の不動産がどこにあるか
- 登記簿上の所有者が誰になっているか
- 遺言書があるか
- 誰が相続人となるか
- 通常の相続登記と相続人申告登記のどちらを選ぶか
- 相続登記の期限がいつになるか
- 申告登記を利用すべきか、通常の相続登記を進められるか
- 誰が申出を行い、誰の委任が必要か
- 対象となる不動産に漏れがないか
- 数次相続や代襲相続が発生していないか
- 遺産分割後に必要となる正式な相続登記
- 法務省「相続登記の申請義務化について」
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
- 法務省「相続人申告登記について」
- 法務省「相続登記の申請義務化に関する概要資料」
- 法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」
- 法務省「相続登記の申請義務化の関係法令等」
- 相続手続き
-
相続人同士で争いがある場合の代理交渉:弁護士の業務
-
相続税申告、税額計算、税務判断:税理士の業務
-
不動産の売却仲介や査定:宅地建物取引業者等の業務
-
家庭裁判所での調停・審判における代理:原則として弁護士の業務
-
遺言書、遺言書保管事実証明書など
-
亡くなった方と相続人の戸籍、住民票など
-
固定資産税の納税通知書、権利証、登記事項証明書
-
通帳、キャッシュカード、銀行からの郵便物
-
証券会社・保険会社からの通知
-
借入れ、住宅ローン、未払金に関する資料
-
相続人の氏名、住所、連絡先をまとめたメモ
- 相続手続き
- 申請件数:5,863件
- 国庫に帰属した件数:3,008件
- 却下件数:85件
- 不承認件数:96件
- 取下げ件数:1,102件
- 建物がある土地
- 抵当権などの担保権や使用収益権が設定されている土地
- 通路、墓地、境内地など、他人による使用が予定されている土地
- 土壌汚染がある土地
- 境界が明らかでない土地
- 所有権の範囲について争いがある土地
- 地上または地下に、管理や処分を妨げる物がある土地
- 危険な崖があるなど、通常より多くの管理費用を要する土地
- 一般の不動産市場で売却できないか
- 隣接地の所有者に譲渡できないか
- 地元の自治体や地域団体が活用できないか
- 農地であれば農業委員会等への相談が必要ではないか
- 国庫帰属の要件と費用を満たせるか
- 誰が土地を相続しているか
- 相続登記や共有者の整理が必要か
- 登記記録と現地の状況に違いがないか
- 国庫帰属以外の方法と比較すべきか
- 申請書や添付書類をどのように準備するか
- 法務省「相続土地国庫帰属制度の統計」
- 法務省「相続土地国庫帰属制度について」
- 申請できない土地・承認されない土地
- 負担金について
- 申請書類の作成を依頼できる専門家
- 相続土地国庫帰属制度のQ&A
- 横浜地方法務局・相続土地国庫帰属制度
- 相続手続き
-
期限は「相続したことを知った日から3年以内」。
-
登記を怠ると、正当な理由がない限り、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
-
早めの名義変更を
遺産分割協議がまとまらない場合でも、法定相続分で仮登記をしたり、「相続人申告登記」を利用するなど、期限内に登記対応をしておくことが大切です。 -
家族内での情報共有
実家や土地を相続したら、他の相続人と早めに話し合い、誰が管理するのか、売却・活用するのか方針を決めましょう。 -
書類の準備はお早めに
名義変更には戸籍謄本や固定資産評価証明書などが必要です。必要書類を早めに揃えておくことで、手続きがスムーズに進みます。
海外在住の相続人がいる場合、相続手続はどう進める?署名証明・在留証明を司法書士が解説
「相続人の一人が海外に住んでいて、遺産分割協議書に実印を押せない」
「海外から書類を送ってもらう必要があるが、何を準備すればよいか分からない」
相続人が海外に住んでいても、日本の相続手続を進められる場合は少なくありません。相続人全員が日本へ集まることや、海外在住者が手続のたびに帰国することが、常に必要なわけではありません。
ただし、海外へ転出して日本の印鑑登録がなくなっている場合は、印鑑証明書の代わりとなる「署名証明」を準備することがあります。
不動産を取得する相続人については、住所を証明するため「在留証明」などが必要になる場合もあります。
書類を先に署名してしまうと、在外公館で希望する形式の署名証明を受けられず、遺産分割協議書を作り直すことがあります。
今回は、海外在住の相続人がいる場合の遺産分割協議、相続登記、預貯金等の手続について、書類を準備する順番と注意点を解説します。
まず「海外在住」と「外国籍」を分けて考える
最初に確認したいのは、相続人が住んでいる国だけではありません。
これらによって、準備する証明書や適用される法律の確認方法が変わります。
日本の法の適用に関する通則法第36条は、相続は被相続人の本国法によると定めています。
亡くなった方が外国籍の場合は、「日本に財産があるから全て日本法で処理できる」とは限りません。反致を含め、個別に準拠法を確認する必要があります。
一方、亡くなった方が日本国籍で、相続人の一人が仕事や結婚などで海外に住んでいるケースでは、日本の相続手続を前提に、海外在住者の署名・住所をどの書類で証明するかが主な問題になります。
海外在住の日本人は「署名証明」を利用することがある
日本に住民登録がない方は、通常、日本の印鑑登録証明書を取得できません。
外務省は、海外に在留する日本人に対し、日本の印鑑証明に代わるものとして「署名証明」を発給しています。
申請者が領事の面前で行った署名が本人のものであることを証明するものです。
署名証明には、主に次の2つの形式があります。
形式1
在外公館が発行する証明書と、領事の面前で署名した遺産分割協議書などの私文書を綴り合わせる形式です。
この形式を利用する場合、遺産分割協議書へ事前に署名してはいけません。署名欄を空欄にした書類を持参し、領事の面前で署名します。
形式2
申請者の署名を単独で証明する形式です。
どちらの形式が必要かは、法務局、金融機関、証券会社などの提出先や手続内容によって異なります。
「在外公館で取得しやすい方」を先に選ぶのではなく、書類を作成する司法書士や提出先へ確認してから申請することが重要です。
なお、外国籍の方は、日本の在外公館が日本人向けに発給する署名証明の対象とはなりません。
一般には、居住国の公証人等による署名証明などを検討しますが、国・地域と提出先によって必要な認証や書類が異なります。
住所を証明する「在留証明」
海外在住の日本人が日本の不動産を相続する場合などには、現在の海外住所を証明する書面が必要になります。
在外公館が発給する在留証明は、海外における住所を証明する代表的な書類です。
申請には、日本国籍と本人確認ができる書類のほか、滞在許可証、現地の運転免許証、公共料金の請求書など、住所や滞在期間を確認できる資料が必要になります。
一時帰国後に日本国内の外務省窓口で在留証明を取得することはできません。必要になる可能性がある場合は、海外にいる間に申請方法を確認しておく必要があります。
外国籍の方については、居住国の政府等が発行する住民票に相当する書面、現地公証人の証明を付した宣誓供述書などを検討します。外国語の書類には、日本語訳を添付する必要があります。
どの書類が住所証明として受理されるかは一律ではないため、取得前に登記申請を担当する司法書士と確認してください。
e-証明書は、そのまま使えるとは限らない
外務省は、対象となる在外公館・証明書について、オンライン申請後に電子化した証明書(e-証明書)をオンラインで受け取れる仕組みを案内しています。
ただし、外務省も、提出先によってはe-証明書やその印刷物が受理されず、従来の紙の証明書を求められることがあると注意を促しています。
「オンラインで取得できるから、日本の登記や銀行手続にもそのまま使える」と判断せず、申請前に提出先へ確認する必要があります。
海外在住者がいる遺産分割協議の進め方
書類の往復を減らすには、次の順序で進めるのが基本です。
遺産の内容が確定する前に複数の書類へ署名すると、後から財産や相続人が判明したときに、海外との郵送をやり直すことになります。
先に署名を集めるのではなく、戸籍・財産・提出先の要件を整理してから、必要な書類をまとめて送る方が効率的です。
相続登記の義務は海外在住者にも関係する
海外在住者が日本の不動産を相続した場合も、相続登記の申請義務の対象になります。原則として、不動産を相続により取得したことを知った日から3年以内に申請が必要です。
相続登記では、遺産分割協議書、署名証明、住所証明情報などを確認します。
2026年10月5日以後に個人が新たに不動産の所有権の登記名義人となる場合は、検索用情報として国籍等の申出も必要になります。
海外に居住している方は、住民基本台帳ネットワークによる住所変更の確認ができないため、国内居住者と同じ方法によるスマート変更登記の対象にはなりません。
登記後に海外住所が変わった場合も、住所変更登記の管理が必要です。
銀行・証券会社の相続手続は取扱いが異なる
金融機関の相続手続でも、署名証明、在留証明、戸籍、遺産分割協議書などを求められることがあります。
ただし、必要書類、有効期限、原本還付の可否、外国語書類の取扱いは金融機関ごとに異なります。
不動産登記で受理された書類が、そのまま全ての金融機関で利用できるとは限りません。
複数の銀行・証券会社がある場合は、各社の必要書類を先に照会し、同じ証明書を何通取得するか、原本をどの順番で提出するかを計画します。
司法書士に相談できること
司法書士は、次のような準備や手続を支援できます。
相続人同士で争いがある場合に、一方の代理人として交渉することは司法書士の業務範囲外です。
紛争がある場合は弁護士、相続税や国外財産の税務判断が必要な場合は税理士等への相談が必要になります。
また、亡くなった方が外国籍で外国法の調査が必要な場合、現地法律家や関係機関への確認が必要になることがあります。
まとめ
海外在住の相続人がいても、郵送やオンラインでの打合せを利用し、日本の相続手続を進められる場合があります。
一方、印鑑証明書に代わる署名証明、海外住所を示す在留証明、外国語書類の翻訳など、国内だけの相続とは異なる準備が必要です。
特に、遺産分割協議書へ先に署名してしまうと、希望する形式の署名証明を付けられず、作り直しになることがあります。
相続人の国籍・居住国、亡くなった方の国籍、財産の種類、提出先を確認し、書類を送る前に全体の手順を決めることが大切です。
木村光太朗司法書士事務所では、茅ヶ崎市、藤沢市、寒川町、平塚市周辺の相続について、海外在住の相続人がいる場合も、必要書類と手続の順序を整理します。
不動産だけでなく、預貯金や証券を含む相続手続をまとめて進めたい場合も、まずはお手元の資料を基にご相談ください。
FAQ
Q1.海外在住の相続人は、日本へ帰国しなければなりませんか?
必ずしも帰国が必要とは限りません。郵送やオンライン面談を利用し、在外公館の署名証明・在留証明などを準備して進められる場合があります。
ただし、金融機関や個別手続の本人確認方法によっては、別途対応が必要です。
Q2.遺産分割協議書には、先に署名してもよいですか?
署名証明の形式1を利用する場合は、領事の面前で署名する必要があります。先に署名せず、提出先と証明形式を確認してから手続してください。
Q3.海外在住の日本人は実印を押さなくてもよいですか?
日本の印鑑登録がない場合、一般に印鑑証明書の代わりとなる署名証明を利用します。押印の要否や署名方法は提出先と手続内容によって異なるため、書類作成前に確認します。
Q4.在留証明は日本へ一時帰国してから取得できますか?
在留証明は在外公館で発給され、外務省の国内窓口では取得できません。海外にいる間に、管轄の大使館・総領事館へ申請方法を確認してください。
Q5.e-証明書を印刷すれば相続登記に使えますか?
提出先によってはe-証明書または印刷物が受理されず、紙の証明書を求められることがあります。e-証明書を申請する前に、法務局や金融機関等の提出先へ確認が必要です。
Q6.外国籍の相続人も日本の在外公館で署名証明を取得できますか?
日本人向けの署名証明は、原則として日本国籍者が対象です。外国籍の方は、現地公証人による署名証明などを検討します。必要な認証・翻訳は国と提出先によって異なります。
Q7.海外の相続人と意見が対立している場合も司法書士に任せられますか?
司法書士は、相続人の一方を代理して相手方と遺産分割の交渉をすることはできません。対立がある場合は弁護士への相談が必要です。
合意成立後の遺産分割協議書作成や相続登記などは、状況に応じて司法書士が対応できます。
内部リンク
本文中の自然な箇所に次を設定します。
一次情報・出典
公開日・最終更新日:2026年11月2日
執筆・監修:司法書士 木村光太朗(木村光太朗司法書士事務所)
相続人申告登記とは?遺産分割がまとまらないときの2027年期限対策を司法書士が解説
「父名義の実家について、兄弟の話し合いがまとまらない」
「連絡が取れない相続人がいるため、相続登記を進められない」
「2027年3月31日の期限が近いが、誰が不動産を取得するか決まっていない」
過去に発生した相続についても、相続登記の義務化は適用されます。
2024年4月1日より前から不動産を相続したことを知っていた場合、相続登記の期限は原則として2027年3月31日です。
しかし、相続人全員の話し合いが終わらなければ、遺産分割の内容に基づく相続登記はできません。
このようなときに、期限内の義務履行のために利用できるのが「相続人申告登記」です。
相続人申告登記は、通常の相続登記より簡易な手続ですが、不動産の名義を相続人へ変更する制度ではありません。
できることと、できないことを理解して選ぶ必要があります。
今回は、2026年9月28日現在の法務省の公表情報を基に、期限の考え方、相続人申告登記の効果、必要書類、手続後の注意点を解説します。
過去の相続にも相続登記の義務がある
相続登記の申請義務化は、2024年4月1日に始まりました。
原則として、不動産を相続によって取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請しなければなりません。
義務化が始まる前に発生した相続も対象です。2024年4月1日より前から、不動産を相続したことを知っていた場合の期限は、原則として2027年3月31日です。
一方、2024年4月1日以後になって初めて、自分が不動産を相続したことを知った場合は、その知った日から3年以内が期限となります。
したがって、全ての過去の相続について一律に2027年3月31日が期限になるわけではありません。
相続の発生時期だけでなく、不動産を相続したことを知った時期も確認する必要があります。
正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
ただし、期限を過ぎた瞬間に自動的に過料が科されるという仕組みではありません。
法務省は、登記官が義務違反を把握した場合、原則として、まず登記申請をするよう催告し、それでも正当な理由なく申請しないときに裁判所へ過料事件の通知をする運用を示しています。
過料の有無だけでなく、相続人が増えて手続が複雑になる、売却や担保設定ができないといった不利益を避けるためにも、早めの整理が大切です。
相続人申告登記とは
相続人申告登記は、相続登記の期限内に遺産分割がまとまらない場合などに、簡易な方法で基本的な申請義務を履行できる制度です。
申出をする人は、対象となる不動産を特定したうえで、法務局に次の事実を申し出ます。
登記官が審査した後、申出をした相続人の氏名や住所などが登記簿に付記されます。
共同相続人の一人が、自分の分だけ単独で申し出ることができます。他の相続人の分もまとめて代理で申し出ることはできますが、その場合は各相続人からの委任が必要です。
重要なのは、一人が自分について申出をしただけで、他の相続人全員の義務まで履行されたことにはならないという点です。
各相続人が自分で申し出るか、代表者へ委任してまとめて申し出る必要があります。
相続人申告登記でできること
相続人申告登記を期限内に行うと、その申出をした相続人については、相続登記に関する基本的な申請義務を履行したものとみなされます。
通常の相続登記では、被相続人の出生から死亡までの戸籍などを集め、法定相続人全員を確認する場面が多くあります。
相続人申告登記では、原則として、申出をする本人が被相続人の相続人であることを確認できる範囲の戸籍で手続を進められます。
また、申出に登録免許税はかかりません。ただし、戸籍謄本等の取得費用や、司法書士へ依頼する場合の報酬などは別途必要です。
期限が迫る一方で、遺産分割協議の成立まで時間を要する場合には、現実的な選択肢となります。
相続人申告登記ではできないこと
相続人申告登記は「通常の相続登記の代わり」ではありません。
申出をしても、次のことは解決しません。
相続人申告登記をしただけでは、売却に必要な所有権移転の前提が整いません。
不動産を売る場合や融資の担保に入れる場合などは、最終的に通常の相続登記が必要です。
「申告登記をしたから相続手続は全て終了した」と誤解しないことが重要です。
遺産分割が成立した後は、改めて登記が必要
相続人申告登記をした後に遺産分割が成立し、その結果として不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容に基づく相続登記を申請しなければなりません。
この追加的な義務は、先に行った相続人申告登記だけでは履行できません。
つまり、相続人申告登記は、話し合いが終わるまでの間に基本的な義務を果たすための制度です。
その後、遺産分割がまとまった段階で、正式な名義変更を行う必要があります。
相続人申告登記が向いているケース
次のような場合には、相続人申告登記を検討する余地があります。
一方、相続人と遺産分割の内容がすでに確定している場合は、相続人申告登記を経由せず、通常の相続登記を行う方が一度で手続を終えられることがあります。
期限まで時間がある場合も、最初から相続人申告登記に決めるのではなく、通常の相続登記が可能かを先に確認することが大切です。
一般的に準備する書類
具体的な書類は相続関係や申出方法によって異なりますが、一般的には次の資料を確認します。
申出書に住民票上の氏名のふりがなと生年月日を記載した場合、住基ネットによる確認が可能となり、住所を確認する書類を省略できる場合があります。
数代にわたって相続登記がされていない場合は、中間の相続関係を確認する戸籍が追加で必要になるなど、書類が複雑になります。
期限までに確認したい5つのこと
不動産の場所が分からない場合は、2026年2月に始まった所有不動産記録証明制度も調査手段になります。
ただし、検索条件によっては不動産が抽出されないことがあります。詳しくは「親名義の不動産をどう探す?所有不動産記録証明制度」をご参照ください。
なお、100万円以下の土地などについて設けられている相続登記の登録免許税の免税措置も、現行の公表内容では2027年3月31日までです。
適用条件があるため、全ての相続登記が免税になるわけではありません。
司法書士に相談できること
司法書士は、相続登記や相続人申告登記の申出について、書類作成、戸籍の確認、法務局への手続などを支援できます。
当事務所では、次の点を整理します。
相続人間に法的な争いがあり、交渉や遺産分割調停等が必要な場合は、司法書士が扱える業務の範囲を確認したうえで、必要に応じて弁護士等の適切な相談先をご案内します。
まとめ
2024年4月1日より前から不動産を相続したことを知っていた場合、相続登記の期限は原則として2027年3月31日です。
遺産分割がまとまらないからといって、何もしないまま期限を迎える必要はありません。
相続人申告登記により、申出をした相続人について、基本的な申請義務を履行できる場合があります。
ただし、相続人申告登記は名義変更ではなく、不動産の売却や担保設定もできません。
遺産分割成立後は、その内容に基づく相続登記が改めて必要です。
茅ヶ崎市、藤沢市、寒川町、平塚市周辺で、古い相続登記、話し合いが終わっていない相続、相続人申告登記についてお困りの方は、木村光太朗司法書士事務所へご相談ください。
現在の資料を確認し、期限と選択肢を整理します。
FAQ
Q1.相続人の一人だけで相続人申告登記を申し出られますか?
はい。共同相続人の一人が、自分について単独で申し出ることができます。
他の相続人の分もまとめて代理で申し出る場合は、その相続人からの委任が必要です。
Q2.一人が申し出れば、相続人全員の義務が履行されますか?
いいえ。自分についてだけ申し出た場合、義務を履行したものとみなされるのは申出人本人です。
他の相続人は、それぞれ申し出るか、代表者へ委任して手続を行う必要があります。
Q3.相続人申告登記をすると、不動産は自分名義になりますか?
なりません。相続人申告登記は、所有権の移転や持分を公示する登記ではありません。
正式な名義変更には、別途、相続登記が必要です。
Q4.申告登記をした不動産を売却できますか?
相続人申告登記だけでは売却できません。
売却するには、遺産分割等を整え、取得者への相続登記を行う必要があります。
Q5.遺産分割が成立した後も、申告登記のままでよいですか?
いいえ。遺産分割によって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容に基づく相続登記を申請する義務があります。
Q6.相続人申告登記に登録免許税はかかりますか?
申出に登録免許税はかかりません。
ただし、戸籍等の取得費用、郵送料、司法書士へ依頼する場合の報酬などは別途必要です。
Q7.2027年3月31日を過ぎると、すぐ過料になりますか?
期限経過と同時に自動的に過料が科される仕組みではありません。
法務省は、登記官が義務違反を把握した場合には、原則としてまず催告する運用を示しています。
ただし、正当な理由なく義務に違反すれば10万円以下の過料の対象となる可能性があるため、期限前の対応が重要です。
一次情報・出典
公開日・最終更新日:2026年10月5日
執筆・監修:司法書士 木村光太朗(木村光太朗司法書士事務所)
相続手続きをまとめて任せる「遺産整理業務」とは?銀行等との費用・違いを司法書士が解説
「親が亡くなったが、銀行・証券会社・不動産の手続きをどこから始めればよいか分からない」
「仕事を休んで、平日に何度も窓口へ行くのが難しい」
「相続人が遠方に住んでいるため、書類のやり取りだけでも時間がかかる」
相続では、戸籍の収集、不動産の相続登記、預貯金の解約、証券口座の移管など、複数の窓口で手続を進めることがあります。
日本司法書士会連合会の相続情報サイトも、窓口が多数に分かれること、平日の日中の対応が多いこと、必要書類や期限があることを、相続手続が複雑になりやすい理由として挙げています。
こうした相続手続を、委任内容に応じてまとめて支援するのが「遺産整理業務」または「遺産承継業務」です。
今回は、遺産整理業務で依頼できること、司法書士だけでは対応できないこと、銀行等のサービスとの費用・役割の違い、相談前に準備したい資料を解説します。
遺産整理業務とは
「遺産整理業務」は、法律で一律に内容が決められた一つの手続名ではありません。
依頼者様との委任契約に基づき、相続関係や財産の状況を整理し、預貯金・有価証券・不動産などの承継手続をまとめて進めるサービスの総称として使われています。
対応範囲は、事務所や金融機関、相続財産の内容によって異なります。
そのため、名称だけで比べるのではなく、「どこまで料金に含まれるか」「何が別料金か」「誰が実際の手続を担当するか」を確認することが重要です。
遺産整理業務の主な流れ
当事務所での具体的な受任範囲は個別に確認しますが、一般的には次の順序で整理します。
1.遺言書と期限の確認
最初に、公正証書遺言、自宅で保管されていた自筆証書遺言、法務局に保管されている自筆証書遺言の有無を確認します。
相続放棄を検討する場合、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」に家庭裁判所へ申述する必要があります。
また、相続税の申告が必要な場合、原則として死亡を知った日の翌日から10か月以内が期限です。
遺産整理を依頼するかどうかを考える前に、まず期限を過ぎる可能性がないかを確認します。
2.相続人の確認
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍などを収集し、法律上の相続人を確認します。
必要に応じて「法定相続情報一覧図」を作成して法務局へ申し出ると、その写しを不動産、預貯金など複数の相続手続で利用できます。
戸籍の束を各窓口へ繰り返し提出する負担を減らし、手続を並行して進めやすくなる場合があります。
3.相続財産と債務の整理
固定資産税の納税通知書、通帳、残高証明書、証券会社からの通知、保険関係書類、借入れに関する資料などを基に、財産と債務を整理します。
資料にない財産まで必ず発見できるわけではありません。郵便物、メール、確定申告書、取引履歴なども手掛かりにしながら、調査する範囲と方法を依頼者と確認します。
4.分け方を相続人全員で決める
遺言書がなく、相続人が複数いる場合は、誰がどの財産を取得するかを相続人全員で協議します。
司法書士は、合意内容に基づく遺産分割協議書の作成や登記手続を支援できますが、相続人間の対立について一方の代理人として交渉することはできません。
話合いがまとまらない、使途不明金や遺留分などについて争いがある場合は、弁護士への相談が必要です。
遺産分割調停・審判など家庭裁判所の手続が必要になることもあります。
5.預貯金・証券・不動産などの承継手続
合意内容が固まった後、金融機関ごとの書類を整え、預貯金の解約・払戻し、証券口座の移管などを進めます。
不動産がある場合は、司法書士が相続登記を申請します。
金融機関によって書式や必要書類が異なり、同じ戸籍や印鑑証明書でも有効期限の扱いが異なることがあります。
全体の順序を組み、書類の取得回数を抑えることが、遺産整理業務を依頼するメリットの一つです。
6.相続人への引渡しと完了報告
各手続が完了したら、預り金や承継した財産を合意内容に沿って引き渡し、処理した手続と預り書類を報告します。
実際の方法は契約内容や金融機関の取扱いによって異なります。
司法書士にまとめて相談するメリット
相続登記と金融資産の手続を分断しにくい
相続財産に不動産が含まれる場合、相続登記は司法書士の中心的な業務です。
戸籍や遺産分割協議書を、不動産と金融資産の双方を見据えて準備できます。
担当者へ直接相談できる
当事務所では、相談内容と資料を確認したうえで、受任する範囲と見積りを事前にご説明します。
途中で税理士、弁護士、不動産会社などの関与が必要になった場合も、何を誰に相談すべきかを整理します。
必要な手続だけを選べる
「預貯金だけを依頼したい」「戸籍と法定相続情報一覧図まで頼みたい」「不動産を含めて全体を整理したい」など、状況によって必要な範囲は異なります。
すでに終わっている手続を重ねて依頼する必要はありません。
司法書士だけでは対応できないこと
遺産整理業務を「相続に関することを何でも代理できるサービス」と捉えるのは正確ではありません。
司法書士は裁判所提出書類の作成を支援できますが、代理できる範囲とは別です。
案件ごとに専門家の役割を分ける必要があります。
銀行等へ依頼する場合との違い
遺産整理業務は、銀行・信託銀行なども提供しています。
安心感、支店網、金融資産に関する窓口の集約などは金融機関の強みです。
一方で、料金体系や別途費用はサービスごとに違います。
2026年9月15日に確認した公開料金の一例では、ある大手銀行の一般的な相続手続代行サービスは、対象財産の額に応じた料率制で、最低手数料を110万円(税込)としています。
不動産の相続登記に必要な登録免許税・司法書士報酬や、相続税申告に必要な税理士報酬などは別途負担です。
同じ金融機関には、相続人5人以下、財産・取引金融機関数などの条件をすべて満たす場合に55万円(税込)となる別プランもあります。
一方、当事務所の料金表では、預貯金や株式口座に関する遺産承継業務について、財産額3,000万円の例を60万5,000円(税込)としています。
「司法書士なら銀行より必ず安い」と結論づけることはできません。対象財産、相続人数、金融機関数、不動産登記を含むか、財産の評価方法、実費、他士業の報酬が同じではないからです。
ただし、一般プランの最低手数料と比べると、司法書士に依頼された方が費用を抑えられるケースがあります。
また、司法書士へ直接依頼することで、相続登記を含めた法的手続の担当者が明確になる点も比較材料です。
依頼先を決めるときは、総額だけでなく、同じ前提条件で書面の見積りを取り、業務範囲と追加費用を比較してください。
初回相談でお持ちいただきたい資料
全てそろっていなくても相談できます。手元にあるものだけで構いません。
相続放棄を検討している場合や、借金の有無が分からない場合は、財産を処分する前に早めにご相談ください。
まとめ
遺産整理業務は、戸籍の収集、相続人・財産の整理、預貯金や証券の承継、不動産の相続登記などを、委任範囲に応じてまとめて進めるサービスです。
銀行等にも同様のサービスがありますが、料金体系、利用条件、別途費用、実際の担当範囲は異なります。
「どこが一番安いか」だけではなく、自分の相続で必要な手続が見積りに含まれているかを確認することが大切です。
木村光太朗司法書士事務所では、まず相続財産と必要な手続を整理し、当事務所で対応する範囲と費用をご説明します。
相続人間の争いや税務など、別の専門家が必要な内容は区別してご案内します。
茅ヶ崎市、藤沢市、寒川町、平塚市周辺で、「相続手続をまとめて相談したい」「平日に何度も窓口へ行けない」とお困りの方は、資料がそろっていない段階でもご相談ください。
FAQ
Q1.預貯金や証券口座だけでも依頼できますか?
はい。対応できる範囲は金融機関・証券会社や口座の状況によりますが、必要な部分だけを依頼できる場合があります。
初回相談時に、すでに済んでいる手続と残っている手続を確認します。
Q2.相続人全員の同意がなくても進められますか?
遺産分割が必要な場合、原則として相続人全員の合意が必要です。
一部の相続人を除いて分け方を決めることはできません。
連絡が取れない相続人がいる場合は、家庭裁判所の手続が必要になることがあります。
Q3.相続人同士でもめている場合も司法書士へ任せられますか?
司法書士が一方の相続人を代理して、相手方と遺産分割の交渉をすることはできません。
争いがある場合は弁護士へつなぎ、司法書士は必要に応じて登記や裁判所提出書類の作成など、対応できる範囲を担当します。
Q4.相続税の申告も料金に含まれますか?
相続税の申告・税務判断は税理士の業務で、司法書士の報酬には通常含まれません。
申告の可能性がある場合は税理士への相談を案内します。
相続税の申告期限は、原則として死亡を知った日の翌日から10か月以内です。
Q5.銀行に依頼するより安いですか?
一般的な銀行の料率制サービスと比べて費用を抑えられるケースはありますが、必ず安いとは限りません。
金融機関には条件付きの定額プランもあり、業務範囲や別途費用も異なります。
同じ条件で見積りを比較してください。
Q6.遠方に相続人や財産があっても相談できますか?
可能な場合があります。戸籍収集や書類の授受は郵送で進められることもあります。
不動産、金融機関、相続人の所在地と、現地対応が必要な手続の有無を確認してご案内します。
Q7.最初の相談までに書類を全て集める必要がありますか?
いいえ。手元にある通帳、固定資産税の通知、証券会社からの郵便物、遺言書などをお持ちください。
資料が不足している場合は、何をどの順番で集めるかから整理します。
出典・参考資料
公開日・最終更新日:2026年9月15日
執筆・監修:司法書士 木村光太朗(木村光太朗司法書士事務所)
相続土地国庫帰属制度は実際に使える?国庫帰属3,008件―2026年最新統計を司法書士が解説
「親から相続した山林が遠方にあり、管理に行けない」
「使う予定のない農地や空き地を、子どもに残したくない」
このような悩みを抱えている方にとって、相続した土地を国に引き渡すことができる「相続土地国庫帰属制度」は、有力な選択肢の一つです。
法務省は2026年8月21日、同制度に関する最新の統計を公表しました。
今回は、2026年7月31日現在の統計を基に、実際の利用状況、申請できる土地の条件、必要な費用、司法書士が支援できる範囲を解説します。
相続土地国庫帰属制度とは
相続土地国庫帰属制度は、相続または相続人に対する遺贈によって取得した土地について、一定の条件を満たした場合に、所有権を国庫へ帰属させる制度です。
相続放棄とは異なり、預貯金や自宅などの財産を相続しながら、利用予定のない特定の土地について国庫帰属を検討できる点が特徴です。
ただし、申請すれば必ず国が引き取ってくれる制度ではありません。法令上の要件を満たし、法務局による書面審査や実地調査を経て承認される必要があります。
最新統計では国庫帰属が3,008件
法務省の統計によると、2026年7月31日現在の状況は次のとおりです。
国庫に帰属した土地の内訳は、宅地1,115件、農用地964件、森林199件、その他730件です。
一方、取下げ1,102件のうち571件は、自治体や隣接地所有者などから土地を有効利用できる見込みが示されたことによるものです。
制度の検討過程で、売却、隣接地所有者への譲渡、自治体等による活用といった別の解決方法が見つかる場合もあることが分かります。
なお、3,008件を申請総数5,863件で割った数字を、そのまま「承認率」と捉えることはできません。申請総数には審査中の案件や取下げられた案件も含まれるためです。
申請できる人
原則として、相続または相続人に対する遺贈によって土地を取得した所有者が申請できます。
土地が共有の場合は、共有者全員で共同申請する必要があります。
共有者のうち少なくとも一人が相続等によって持分を取得している場合には、他の共有者が売買などで持分を取得していても、一定の条件の下で共同申請できることがあります。
一方、土地を単独で購入した人が「使わなくなった」という理由だけで申請することはできません。
国庫帰属が難しい土地
次のような土地は、申請段階で却下されたり、審査の結果として不承認となったりする可能性があります。
例えば、古い家屋が残っている場合は、そのままでは申請できません。
建物を取り壊したとしても、境界や埋設物など、ほかの要件について改めて確認する必要があります。
申請に必要な費用
申請時には、土地1筆につき1万4,000円の審査手数料が必要です。
審査手数料は、申請を取り下げた場合や不承認となった場合でも原則として返還されません。
さらに、承認を受けた後には、国による10年分の管理費用に相当する負担金を納付します。
負担金は20万円を基準とする土地もありますが、市街地の宅地、農用地、森林などは、土地の種類や面積に応じて金額が増える場合があります。
建物の解体、境界の確認、残置物の撤去などが必要な場合は、それらの費用も別途考えなければなりません。
まず国庫帰属だけに決めないことが重要
利用予定のない土地であっても、最初から国庫帰属だけに絞る必要はありません。
申請前に、次の可能性を比較することが大切です。
法務局への事前相談を利用するときも、登記事項証明書、公図、地積測量図、現地写真、固定資産税の納税通知書などを準備しておくと、相談を進めやすくなります。
司法書士に相談できること
司法書士は、相続土地国庫帰属制度の申請書や添付書類の作成を業務として行うことができます。
また、相続関係や共有関係の確認、相続登記、登記記録と公図の確認などは、制度の利用を検討するうえで重要な準備となります。
ただし、国庫帰属の申請そのものを、司法書士が通常の代理人として行うことはできません。申請者本人または法定代理人が申請する制度であることには注意が必要です。
当事務所では、次のような点を整理しながら、制度を利用できる可能性を検討します。
測量、建物解体、売却、税務など他分野の確認が必要な場合には、必要な相談先を含めて整理します。
まとめ
2026年7月末までに、相続土地国庫帰属制度を利用して3,008件の土地が国庫に帰属しています。
制度が実際に利用されていることは確かですが、土地の状態、境界、権利関係、管理上の負担などによっては利用できません。
申請手数料や負担金に加え、申請前の整備費用が必要になる場合もあります。
相続した土地を「使わないからすぐ国へ」と考えるのではなく、登記と現地の状況を確認し、売却や譲渡などの可能性も含めて比較することが大切です。
茅ヶ崎市、藤沢市、寒川町、平塚市周辺で、相続した土地や相続登記についてお困りの方は、木村光太朗司法書士事務所へご相談ください。
土地が遠方にある場合も、まずは資料を基に必要な手続きを整理します。
FAQ
Q1.建物が残っている土地でも申請できますか?
建物がある土地は申請できません。建物を取り壊した後も、境界、担保権、埋設物など、ほかの要件を満たす必要があります。
Q2.自分で購入した土地を国に引き取ってもらえますか?
購入によって取得した土地だけでは、原則として申請できません。相続または相続人に対する遺贈によって取得した土地が対象です。
Q3.共有名義の土地でも利用できますか?
利用できる可能性はありますが、共有者全員による共同申請が必要です。共有者の所在や相続関係を先に整理しなければならない場合があります。
Q4.申請すれば必ず承認されますか?
必ず承認されるわけではありません。書面審査や実地調査が行われ、却下、不承認または取下げとなる場合があります。
Q5.司法書士にすべて任せられますか?
司法書士は申請書や添付書類の作成、相続登記、権利関係の整理などを行えます。ただし、国庫帰属の申請自体は、原則として所有者本人または法定代理人が行います。
Q6.最初に何を準備すればよいですか?
登記事項証明書、公図、地積測量図、現地写真、固定資産税の納税通知書などがあると、土地の状況を整理しやすくなります。
相続した土地や相続登記についてのご相談は、当事務所の「お問い合わせフォーム」からご連絡ください。
出典
公開日・最終更新日:2026年8月31日
執筆・監修:司法書士 木村光太朗(木村光太朗司法書士事務所)
【2026年版】相続した不動産、手続き放置でどうなる?~所有者不明土地問題と相続登記義務化~
■ 相続登記が義務化された背景
相続した不動産の名義変更を放置すると、相続人が分からなくなり、土地・建物が有効活用されない「所有者不明土地」が増えてしまいます。
国はこの問題を解決するため、2024年4月から相続登記(不動産の名義変更)を義務としました。
こうした措置の背景には、今後も所有者不明土地が増え続け、既に九州の面積を超える規模になると予測されている社会問題があります。
放置された土地は、地域の活用や防災面で大きな課題となります。
■ 相続手続きで気をつけたいポイント
所有者不明土地問題を解消するための制度である以上、手続きの遅れは社会的な負担につながります。
親の財産を守り、次世代へスムーズに引き継ぐためにも、期限内の手続きを徹底しましょう。
■ 今から準備できること
◆ 親の不動産と名義を確認:登記簿謄本を取得し、所有者名や住所が現状と合っているか確認します。
◆ 相続人を把握する:兄弟姉妹や子ども同士で相続人の範囲を確認。遺産分割協議が必要なケースを整理しておきましょう。
◆ 専門家に相談する:司法書士や税理士に相談すれば、相続登記の流れや必要書類、節税対策(税理士との連携)などを教えてくれます。
■ まとめ
相続登記の義務化は、「所有者不明土地」を減らし、不動産を次世代に活用できるようにするための重要な制度です。
将来の相続手続きに備えて、今から家族で話し合いを始め、必要な準備を整えておきましょう。不安な点があれば、弊所へ気軽にご相談ください。


