【2026年最新】休眠会社の「みなし解散」に注意|12月15日期限、法務局から通知が届いた会社の対応

「法務局から『休眠会社等の整理作業』という通知が届いた」

「会社は現在も営業しているのに、解散扱いになるの?」

「通知は届いていないが、長い間、役員変更登記をしていない」

このような会社は、通知をそのままにしないでください。

法務省は2026年10月15日、令和8年度の休眠会社・休眠一般法人の整理作業を開始し、対象となる会社・法人へ通知書を発送しました。

対象会社等が2026年12月15日までに必要な登記または「まだ事業を廃止していない」旨の届出をしない場合、2026年12月16日付で解散したものとみなされ、登記官によって職権で解散の登記がされます。

重要なのは、実際に営業している会社でも、登記を長期間していなければ対象になり得ることです。また、通知書が届かなかったことだけで対象から外れるわけでもありません。

この記事では、2026年10月19日現在の法務省・法務局の公表情報を基に、対象となる会社、期限までに行う手続、届出と役員変更登記の違い、みなし解散後の対応を司法書士が解説します。

 

令和8年度の休眠会社みなし解散と2026年12月15日の対応期限を解説する司法書士木村光太朗

 

令和8年度の期限は2026年12月15日

今年度の主な日程は次のとおりです。

  • 2026年10月15日:法務大臣による官報公告、管轄登記所から通知書を発送
  • 2026年12月15日:必要な登記または届出の期限
  • 2026年12月16日:手続がない対象会社等について、解散したものとみなす日

これは、単なる注意喚起ではありません。

会社法第472条、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第149条・第203条に基づく整理作業です。

期限までに所定の手続がなければ、実際には事業を続けていても、登記上は解散した会社・法人として扱われます。

対象になる会社・法人

2026年10月15日時点で、次の条件に該当する会社・法人が対象です。

株式会社

最後に登記をしてから12年を経過している株式会社です。

「設立から12年」ではなく、登記記録上の最後の登記から12年経過しているかで判断します。

そのため、設立後に本店移転、商号変更、役員変更などの登記をしていれば、その登記日を基準に確認します。

一般社団法人・一般財団法人

最後に登記をしてから5年を経過している一般社団法人または一般財団法人です。

合同会社は今回の整理作業の対象か

合同会社は、会社法第472条によるこの休眠会社整理作業の対象ではありません。

ただし、本店、商号、代表社員等の登記事項に変更があった場合の変更登記義務までなくなるわけではありません。

今回の「12年でみなし解散」と、各変更登記の期限は分けて考える必要があります。

「会社は営業中だから大丈夫」ではない

休眠会社という名称から、事業を完全に止めた会社だけが対象だと思われるかもしれません。

しかし、この整理作業では、実際の営業状況ではなく、最後の登記から経過した期間を基準に対象が抽出されます。

売上があり、従業員が働き、税務申告を続けている会社であっても、登記を12年以上していなければ対象になり得ます。

税務署への申告、都道府県や市区町村への届出、社会保険の手続をしていても、法務局の商業・法人登記が自動的に更新されるわけではありません。

通知書が届かなくても対象になることがある

対象会社等には、登記簿上の本店または主たる事務所へ通知書が発送されます。

しかし、本店を移転したのに登記していない、郵便物を受け取れる状態にないなどの理由で、通知が届かない場合があります。

法務省は、通知書が届かなかった場合でも、対象会社等が期限までに手続をしなければ、解散したものとみなされると案内しています。

「通知が来ていないから問題ない」と判断せず、長期間登記をしていない可能性があるときは、会社・法人の登記事項証明書を取得し、最後の登記年月日と現在の登記内容を確認することが大切です。

12月15日までに何をすればよいか

事業を継続している場合の基本的な選択肢は、次の2つです。

  1. 役員変更、本店移転、商号変更など、現在必要となっている登記を申請する
  2. 必要な登記を直ちに申請しない場合は、「まだ事業を廃止していない」旨を管轄登記所へ届け出る

ただし、どちらを選んでも全ての問題が解決するわけではありません。

まず登記事項証明書、定款、過去の株主総会議事録、現在の株主・役員の状況などを確認し、どの登記が未了になっているかを整理します。

役員の任期が既に満了している場合は、株主総会等で役員を選任し、議事録や就任承諾書などを準備したうえで、役員変更登記を申請することになります。

会社の機関設計や定款の内容によって、必要な決議や書類は異なります。

「まだ事業を廃止していない」旨の届出だけで十分か

届出を期限内に行えば、その年度の整理作業によるみなし解散は回避できます。

しかし、この届出は、登記内容を現在の状態へ直す手続ではありません。未了の役員変更登記や本店移転登記が完了するわけではなく、登記義務違反の状態を解消するものでもありません。

必要な登記をしないままであれば、翌年度も休眠会社等の整理作業の対象になる可能性があります。

また、変更登記を期限内に行わなかったことについては、みなし解散とは別に、代表者等が裁判所から過料に処せられる可能性があります。

法務省は、会社法上の登記を怠った場合、100万円以下の過料の対象になり得ると案内しています。

したがって、届出は「今年のみなし解散を避けるための応急対応」となり得ますが、原則として、その後に未了の登記を整理する必要があります。

役員が同じでも「重任登記」が必要

小規模な会社では、代表者や役員が長年同じため、「変更がないので登記も不要」と考えてしまうことがあります。

しかし、役員の任期が満了し、同じ人を改めて選任した場合も、任期満了による退任と再就任が生じます。登記実務では「重任」といい、役員変更登記が必要です。

株式会社の取締役の任期は原則2年、監査役は原則4年ですが、非公開会社では定款によって最長10年まで伸長していることがあります。

実際の任期は、会社の定款、役員を選任した株主総会の日、事業年度、過去の登記内容を照合して判断します。「10年ごとに登記すればよい」と一律には判断できません。

みなし解散の登記がされるとどうなるか

みなし解散の登記がされると、会社は清算手続を進める状態になります。

法務局の案内では、解散登記後は会社・法人の印鑑証明書や代表者事項証明書を取得できなくなります。

金融機関、取引先、許認可手続などへの影響も考えられるため、事業を継続している会社にとっては重大です。

株式会社は、みなし解散から3年以内であれば、株主総会の特別決議により会社を継続できる場合があります。

一般社団法人・一般財団法人も、法定の特別決議によって継続できる場合があります。

継続を決議した場合は、原則として2週間以内に会社・法人の継続登記を申請します。

さらに、役員選任や清算人関係など、個別の状況に応じた登記が必要になることがあります。

みなし解散後の継続は、期限前の届出や登記より手続が複雑になります。通知に気付いた段階で早めに対応する方が安全です。

まず確認したい5つのこと

  1. 会社・法人の登記事項証明書に記載された最後の登記年月日
  2. 登記上の本店・主たる事務所と、現在の所在地が一致しているか
  3. 現在の役員と登記簿上の役員が一致しているか
  4. 定款上の役員任期と、最後に役員を選任した時期
  5. 法務局から届いた通知書と回答期限

通知書がある場合は、封筒を含めて保管してください。登記事項証明書が手元になくても、会社名と本店所在地が分かれば調査を始められます。

司法書士に相談できること

司法書士は、会社・法人の登記記録と定款、議事録等を確認し、必要な商業・法人登記の申請を代理できます。

木村光太朗司法書士事務所では、次の点を整理します。

  • 令和8年度の休眠会社等整理作業の対象に該当するか
  • 12月15日までに届出と登記のどちらを行うべきか
  • 役員の任期がいつ満了しているか
  • 株主総会や理事会等で、どの決議が必要か
  • 本店、商号、事業目的、役員等に未登記の変更がないか
  • みなし解散登記後であれば、会社・法人の継続が可能か

税務申告や社会保険、許認可への影響は、それぞれ税理士、社会保険労務士、行政書士、所管行政庁等への確認が必要になることがあります。

当事務所では、司法書士が対応できる登記手続と、他の専門家・機関へ確認すべき事項を分けてご案内します。

茅ヶ崎市、藤沢市、寒川町、平塚市周辺で、法務局から休眠会社に関する通知が届いた方や、長年会社登記をしていない方は、期限直前になる前にご相談ください。

まとめ

2026年10月15日時点で、最後の登記から12年を経過している株式会社、または5年を経過している一般社団法人・一般財団法人は、令和8年度の休眠会社等整理作業の対象です。

事業を続けている場合は、2026年12月15日までに、必要な登記または「まだ事業を廃止していない」旨の届出を行う必要があります。

通知が届いていない場合でも、対象から外れるとは限りません。また、届出だけでは未了の登記は解消されません。

登記事項証明書、定款、役員の選任記録を確認し、期限内の対応と、その後に必要な登記を分けて整理することが重要です。


FAQ

Q1.会社は営業中です。それでもみなし解散の対象になりますか?

はい。実際の営業状況ではなく、最後の登記から経過した期間によって対象が判断されます。

営業中でも、株式会社で最後の登記から12年を経過していれば対象になり得ます。

Q2.法務局から通知が届いていません。手続は不要ですか?

通知が届かなかったことだけで対象から外れるわけではありません。

本店移転が未登記の場合など、登記上の所在地へ通知が届かないことがあります。登記事項証明書で最後の登記年月日を確認してください。

Q3.合同会社も12年登記しないと解散になりますか?

合同会社は、今回の会社法第472条による休眠会社整理作業の対象ではありません。

ただし、登記事項に変更が生じた場合の変更登記義務は別にあります。

Q4.同じ取締役が続けて就任する場合も登記が必要ですか?

必要です。任期満了後に同じ人を再び選任する場合も、登記上は「重任」として役員変更登記を行います。

Q5.「事業を廃止していない」旨の届出をすれば、役員変更登記は不要になりますか?

不要にはなりません。届出はその年度のみなし解散を避ける手続であり、未了の役員変更登記等を完了させるものではありません。

必要な登記をしなければ、翌年度も整理作業の対象になる可能性があります。

Q6.既にみなし解散の登記がされていました。会社を続けられますか?

株式会社は、みなし解散から3年以内であれば、株主総会の特別決議により会社を継続できる場合があります。

継続決議後は期限内に登記が必要です。会社の状態により必要な決議・登記が異なるため、個別確認が必要です。

Q7.相談時に何を持参すればよいですか?

法務局からの通知書、定款、過去の株主総会議事録、現在の株主・役員の状況が分かる資料、会社の印鑑証明書や登記事項証明書があればお持ちください。

全て揃っていなくても、会社名と本店所在地から確認を始められます。

一次情報・出典

公開日・最終更新日:2026年10月19日
執筆・監修:司法書士 木村光太朗(木村光太朗司法書士事務所)