空き家問題とは?〜放置された家が招くリスクと現状〜

改めてにはなりますが、少子高齢化や人口減少が進む中、全国的に空き家の増加が社会問題となっています。

特に相続をきっかけに所有者が変わったものの、「遠方で管理できない」「処分に困っている」といった理由から放置されるケースが多く見られます。

今回は、空き家がもたらすリスクと現在の状況について解説します。


◆ 空き家の現状と背景

総務省の調査によれば、日本の空き家は全国で約850万戸(2023年時点)を超え、

全住宅のおよそ7戸に1戸が空き家という時代になっています。

空き家が増える主な理由には以下のようなものがあります:

  • 相続人が遠方に住んでいて管理できない

  • 利活用の方法がわからない

  • 名義が複雑(共有名義・登記未了)で手続きができない

  • 固定資産税の関係で「壊すと損」と考えて放置している


◆ 放置された空き家がもたらすリスク

空き家をそのまま放置すると、以下のような社会的・経済的なリスクがあります:

  1. 防災・防犯上の危険
     → 老朽化した家屋が倒壊・屋根の落下などの恐れ。
     → 空き巣や放火、動物のすみかになるケースも。

  2. 近隣トラブルの原因に
     → 雑草やゴミ、害虫の発生などで、近所から苦情が出る。

  3. 固定資産税の増額
     → 管理が不十分だと「特定空家等」に指定され、
      固定資産税の軽減措置が打ち切られることがあります。


◆ 「特定空家等」に指定されると…

市区町村は、管理状態が著しく悪い空き家について、「特定空家等」に指定することができます。

この指定を受けると、以下のような不利益があります:

  • 行政からの指導・勧告・命令の対象になる

  • 命令に従わないと、行政代執行で解体され、費用を請求される可能性がある

  • 固定資産税の住宅用地特例(1/6軽減など)が適用されなくなる


◆ 相続をきっかけに、空き家をどうするか考える時代へ

以前は「とりあえず放っておく」ことも可能でしたが、今は放置するとリスクの方が大きくなる時代です。

空き家があることで相続人間のトラブルに発展するケースもあり、

司法書士としても、早めの名義整理・今後の活用方法の検討をおすすめしています。


◆ まとめ

  • 空き家は年々増加しており、社会問題となっている

  • 放置すると、倒壊・苦情・税金負担・行政処分など様々なリスクがある

  • 相続をきっかけに、司法書士に相談して早めの対応を行うことが大切


◆ 空き家の相続・名義整理・管理にお困りの方へ

木村光太朗司法書士事務所では、空き家に関するご相談を多数取り扱っております。

相続登記、共有名義の整理、将来の利活用を見据えたご提案まで、

お客様一人ひとりの状況に合わせて、実務に即したアドバイスを行っております。

どうぞお気軽に弊所までご相談ください。